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マルチマイクでのセッティング

スネアドラムのマイキング

スネアのマイキング

スネアドラムはハイハットやタムなど大音量の楽器が近くにあるため、他の楽器のかぶりがおきやすい。他の楽器との分離を考えると、ダイナミックマイクのオンマイクで録音するのが基本となり、打点との角度を変えることにより、アタックの調整が可能です。打点から少し離れた位置を角度をつけて狙うとリム、アタック両方の音が拾えてかぶりも少なくてすみます。スネアの場合、タム類とは違い、裏にスナッピーと呼ばれる鉄線が張ってあり、表のヘッドと、裏のヘッドの違う音色が混ざりはじめてスネアと呼べる音色になります。ですので、できればマイクはトップだけでなく、裏面スネアボトムのマイキングにももう1本立ててスナッピーの音まで録音したいところです。裏面にマイクを立てる場合、その角度が大変重要になってきます。打面と裏面では空気の振動が逆になるので、全く同じ距離、全く同じ角度にしておく必要があります。そうしておいた上で、録音後に裏面のマイクの位相を逆にすれば、ちょうど打面と同じ位相になり、サウンドに重圧感が生まれるでしょう。上下の角度や距離が違うと位相が合づらく、後に苦労することになります。

タム類のマイキング

タム類のマイキング

タムやフロアのマイキングもスネアと同じくオンマイクが基本。かぶりを少なくするためにある程度角度をつけた方が良いでしょう。ただし、あまりに角度をつけすぎると打点のアタック音しか録音できず、細くなってしまう場合もあります。もしマイクに余裕があればスネア同様裏面にもマイクをセッティングして、胴鳴りを録れれば良いですが、セッティング的にも、ミキシング的にも複雑になるので、通常はあまりお勧めはできません。また、ヘッドがクリアなどの場合、必要以上にサステインが伸びてしまうので2枚合わせのピンストライプを使用するか、ガムテープ等でミュートをかけると良いでしょう。また録音後は不要なサウンドをカットするためにゲート等のエフェクトで無音時の音をゼロにしておいたほうが良いでしょう。

ハイハットのマイキング

ハイハットのマイキング

ハイハットの隣には大音量のスネアドラムがあるので、角度に気をつけて、演奏者から見て左寄りを狙う方が良い。理由のひとつには打点を避けて音色のバランスをとる目的があります。打点を狙ってアタックを強調するのも良いですが、コンデンサーマイクの場合高域の鳴りがきつく、聞き苦しいものになる場合があります。金物系のマイクはコンデンサーが基本でしたが、あえてSM57等のダイナミックマイクで録音するのもひとつの手です。また、オープンハイハットを多用する場合、空気の流れをマイクが拾ってノイジーになる場合もあるので、マイクは垂直に立てて10cmくらい距離を置いた方が良いでしょう。もしかぶりが気になる場合、マイクのスネア側にテープなどを貼り、スネアの音のかぶりを防ぐテクニックもあります。

バスドラのマイキング

バスドラのマイキング

ドラムパーツの中でもバスドラムは超低音のため、マイクのチェイス、セッティングが難しいものの1つです。最近ではアタック用と胴鳴り用の2種類のマイクをセットするのが常套で、胴鳴り用のマイクはマイク自体も大きめの物を使い、低音までしっかり録音できるものを選びましょう。おすすめはAKGのD112やShureのBETA56A等ですが、フロントヘッドのと距離で胴鳴りの録れ方が変わります。ヘッドから距離を10cm程度取ると、バスドラ全体の胴鳴りが録音できますが、その分かぶりが大きくなります。マイクが1本の場合、ホール部分を狙い、胴鳴りとアタックを同時に録れるようにしましょう(写真参考)2本のマイクがある場合、1本をホールから胴内に伸ばし、ビーターを直接狙うのが良いです。ビーターからの距離が近すぎるとアタックが強すぎるので、目安としては胴の真ん中くらいからビーターを狙いましょう。このマイクはかぶりが少ないので角度はそれほどシビアではありません。

シンバル類のマイキング

シンバルのマイキングの考え方は大きく分けて二通りあります。ひとつはシンバルだけを狙い、ドラムのパーツのひとつを録音するという考え方。もう1つはシンバルを含めたドラムセット全体を録音する考え方。前者の場合できるだけ他の楽器とのセパレーションを保つため、シンバル自体を高めにセットするとより効果的です。ただし、演奏者によっては高めのセッティングを嫌う場合もあるので、ケースバイケースだと思います。後者の場合ドラム全体のサウンドを録音するので、できれば左右同じメーカー、同じ品質のマイクを使用し、左右の距離もほぼ同等にして完全LRにしてみると良いと思います。使うマイクはコンデンサータイプが基本で、レンジの広いものが良いでしょう。コンデンサーマイクでは、ラージダイアフラムの物も多く存在しますが、その場合、本体の重量でマイクスタンド傾く恐れもありますので、できるだけ安定したスタンドを使用し、ガムテープ等で補強しておくと良いでしょう。

まとめ

ドラムレコーディングは1人で録音することは困難で、エンジニアとドラマーとの二人三脚での作業となります。音量差の大きい楽曲などでは、バランスよく演奏しないと、レベルがばらついて、せっかくバランスよくレベルを調整しても、簡単にピークを超えてしまったり、音が小さく細い音になってしまうことがあります。できることなら、一度録音前にドラマーもミキサーのレベルを調整し実際にミックスを体験してみることをお勧めします。そうすることにより、演奏バランスの大切さや、録音の難しさがわかるからです。ドラムのスタジオミュージシャンでもメカに強いものが多く、ドラムだけ叩ければ仕事ができるというわけではありません。また、マイキングの方法もこれが正しいというものがあるわけではなく、ガムテープを片手に試行錯誤していくうちに自分なりのセッティングを考えていくものです。ドラムレコーディングはコストがかかりますが、何度か録音していくうち確実に技術が上がりますので、いろいろ実験してみて下さい。

掲載日 2007年10月10日、13:22

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