マイク録音について
マイク録音とは、その名の通りギターアンプの音をマイクで録音する方法ですが、ライン録音より広く、防音環境の整った部屋が要求され、場合によっては専用ブースで録音するようなこともありうるので、高度な技術が必要となります。一般的にはギターの音量もある程度必要になるので、通常はスタジオを利用して録音するのが一般的です。当たり前ですが、普通のスタジオや宅録の場合、ヘッドフォンから聞こえるリズムトラックを聞きながら、アンプから鳴っているギターの音を録音するので、演奏者にとってかなり違和感のある環境となります。ひとつの方法としては、ギターアンプの鳴っている部屋と、モニタリングしている部屋を完全別部屋とし、マイクが拾った音をヘッドフォンにからのリズムと混ぜモニタリングすると違和感なく演奏できます。個別ブースが用意されているスタジオとなるとある程度予算を見る必要がありますが、本格的に録音する場合ならおすすめです。
オンマイクとオフマイク
エレキギターの音をマイキングする場合、基本的にはオンマイク中心となりますが、場合によってはオフマイクも有効です。定番のマイクはオンマイクの場合SennheiserのMD421や、ShureのSM57、EVのRE20等です。オフマイクの場合、AKGのC451や、NeumannのU87Ai等も使用されますが、大変高価ですので一般の宅録には向いてません。宅録レベルならAKGのC1000SやC3000Bを使用すると良いでしょう。値段は高いですがAKGのC414B等は楽器を問わず、オンオフ問わず使用されますのでおすすめです。
コンデンサーとダイナミック
コンデンサーマイクとダイナミックマイクの使い分けですが、オーバードライブ、ディストーション系の音色の場合ダイナミックで録音する場合が多いです。コンデンサーマイクは低域から高域までバランスよく録音できますが、オーバードライブ系のサウンドの場合、中域に音が密集していますので、ダイナミックの特性と良く合うからだと思います。一方、音のレンジが広いクリーントーンではコンデンサーマイクが有効です。高域の繊細なストラトトーンなどでは、コンデンサーのダイアフラムが敏感に反応してくれますのでクリアに録音できるでしょう。
マイキング位置
ギターアンプへのマイキングは、おおよそ音源から80cm〜100cm内で、垂直にマイキングします。雑誌とかでよく、アンプの裏側から箱鳴りを録音するためにマイクを立てる場合がありますが、この録音は難しく結果的に音像のぼやけた感じになりがちです。ミックスする場合もあまり裏のマイクのレベルは上げすぎない方が良いです。また、これはあまり知られていないことですが、ギターアンプのスピーカーは、全体がくぼんでいますが、中央だけ丸く膨らんでいますよね。中央のボイスコイルの部分からはほとんど音が出ておらず、実際の音は周りにあるコーン紙の振動によって発音されています。音色はスピーカーの中央に行けば行くほど、明るくハイの強い音がでますが、マイキング位置は中央を少しだけ避けた辺りを狙うのがベターです。
位相の問題について
また、二つ以上のマイクを使用すると位相の問題もでてきますので複雑になってきます。位相とは波数の正弦波の1サイクルの中の位置のことで、わかりやすく言うと、位相がずれる=2つの音の発音がずれるということです。通常1気圧の状態で音は空気中の場合、速度(331+0.6t)m/sという式で考えられます。tは空気の温度(摂氏)で、温度が1度高くなるごとに0.6m/sづつ速くなると言う事です。例えば15℃の空気中では340m/s、一秒間に340m進むことになり、もしギターアンプからマイクの距離が1m離れていたら、1÷340で約0.003m秒録音されるタイミングがずれることになります。結果、マイク位置が変わるだけで全体的に位相がずれてしまいますので、編集段階で0.003秒の位置調整が必要となります。


